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:「子宮頸がん予防ワクチン」をご存知ですか?

例えば「避妊をしなかった」、「コンドームが破けてしまった」などの場合、望まない妊娠を避ける最後の避妊手段を「緊急避妊法」といいます。一般的なのは「緊急避妊ピル」の服用です。
2011年2月、黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレル(LNG)が「緊急避妊ピル」として正式に認可されました(「LNG法」)。それまでの日本では中用量ピルを用いた「ヤッペ法」が医師の判断と責任のもと「緊急避妊ピル」として処方されていました。
「LNG法」は「ヤッペ法」に比べ、吐き気、嘔吐などの副作用が少なく、避妊効果も高いことが報告されています。

☆「子宮頸がん」について教えてください。

「避妊をしなかった」、「コンドームが破けてしまった」、「性犯罪にあった」などの後に起こる可能性のある妊娠を避ける最後の避妊手段を、「緊急避妊法」といいます。一般的なのは、「緊急避妊ピル」の服用ですが「銅付加子宮内避妊具」を子宮内に挿入する方法もあります。

 

☆「子宮頸がん予防ワクチン」について教えて下さい。

「緊急避妊ピル」の詳しい避妊の仕組みは解明されていませんが、「排卵を抑える、あるいは排卵を遅らせる」ことで妊娠を防ぐと考えられています。排卵の1~5日前に「緊急避妊ピル」を服用した女性では妊娠例0%であるのに対し、排卵日以降に服用した場合では17%に妊娠が認められたとの報告があり、このことを強く支持しています。
ちなみに、妊娠は受精の時点ではなく、着床の時点で成立すると規定されています。「緊急避妊ピル」は人工妊娠中絶薬ではないので、着床後に使用しても効果はありません。

 

☆	ワクチンの接種を受ければ、子宮頸がん検診を受けなくてもいいのですか?

まず最寄りの産婦人科に「緊急避妊ピル」を処方しているか問い合わせて下さい。
処方前には詳細な問診が必要です。処方時の妊娠を否定する為、診察や検査が必要なこともあります。「緊急避妊ピルの服用者向け情報提供資料」読んで頂き、医師からの説明を受け、同意を得た証として「緊急避妊ピルの同意書」に署名が必要です。

 

ワクチンの予防効果は、年代によって違うと聞きましたが本当ですか?

性交後72時間以内(3日以内)にできるだけ速やかにレボノルゲストレル(0.75mg)錠を2錠服用します。
「緊急避妊ピル」の効果は100%ではなく、数%に妊娠を認めます。世界保健機関(WHO)の報告では、「緊急避妊ピル」の有効率は98.6%とされていますが、これは「緊急避妊ピル」を服用した後に性交が行われなかった場合で、性交が行われた場合は96.9%に低下します。 副作用としては、一時的に「吐き気」を自覚することがあります。その他、嘔吐(おうと)、下腹部痛、頭痛、倦怠感などがありますが、頻度も少なく24時間以上持続することはありません。

 

ワクチンの予防効果は、年代によって違うと聞きましたが本当ですか?

吐き気、頭痛などの軽度の副作用を認めることもありますが、重篤な副作用は報告されていません。また、他の薬剤と同様に「服用してはいけない人」や「慎重に使用した方がよい人」がいますので医師と相談して下さい。

 

ワクチンの予防効果は、年代によって違うと聞きましたが本当ですか?

服用後2時間以内に吐いてしまった場合は医師に相談して下さい。場合によっては追加して服用する必要があります。2時間を経過してからの嘔吐は心配ありません。
服用したことで排卵が遅れ、その後の性交で妊娠することがあります。服用後の性交は控えて下さい。コンドームを用いた避妊は不確実です。次の月経まで性交を回避できない場合、「緊急避妊ピル」を服用した翌日から「低用量ピル」を服用することも可能です。
「緊急避妊ピル」の効果はすぐには分かりません。通常、服用後3日から3週間で月経を認めます。服用後3週間経過しても月経がない場合は医師に相談して下さい。また、妊娠初期の出血を月経と区別できない事もありますので、医師の指示に従って下さい。なお、服用したにも関わらず妊娠した場合でも、妊娠や胎児に対しての影響はありません。

 

ワクチンの予防効果は、年代によって違うと聞きましたが本当ですか?

「緊急避妊ピル」は 72時間以内の服用 が「添付文書」に記されていますが、120時間(5日)以内でも予想される妊娠率を低下させるという報告があります。しかし、120時間を超える服用に関するデータはありません。また、出産経験のある女性では120時間以内に「銅付加子宮内避妊具」を挿入する方法もあります。この場合、挿入後そのまま2年間の避妊が可能です。

 

ワクチンの予防効果は、年代によって違うと聞きましたが本当ですか?

「緊急避妊ピル」は性交後に妊娠を回避するための最後の手段であり、頻用する避妊法ではあ知ません。計画的に避妊する場合には、避妊効果の高い「低用量ピル」や「銅付加子宮内避妊具」を使用します。

産婦人科医
今回は、「緊急避妊法」についてお話しました。
日本で「低用量ピル」が発売されて12年が経過しましたが、その普及率はわずか5%に留まり、コンドームによる避妊に固執しているのが現状です。しかも、「緊急避妊法」を知っている人は24%に過ぎないと報告されています。
避妊は女性自らが選択することができ、かつ避妊効果の高い「低用量ピル」の服用や「銅付加子宮内避妊具」の使用が理想です。しかし、コンドーム使用率の高い日本では、破損や脱落時などの対応として「緊急避妊法」を知っておく意義は大きいと言えます。