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 皆さんは、低用量ピルと聞いてどんなことを連想しますか?また、どんな知識を持っているでしょうか?「ピル=世界中で1億人が使用している最も確実で安全な避妊法であり、多くの副効用を合わせ持つ女性の生活改善薬」と答えられる方は少数派で、多くの方が「ピル=副作用」、特に女性にとっても気がかりな「ピル=太る」のフレーズが頭の中をよぎったことと思います。
 わが国では1999年9月に低用量ピルが承認され9年が経過しましたが、普及率は3%弱(70万人)に留まっています。40年前から承認を受け、現在60%弱の女性が低用量ピルの恩恵を受けているドイツとは比較はできませんが、日本では何故低用量ピルが普及しないのでしょうか?民族性にも起因するホルモンに対する漠然とした不安感、日本でも数十年前から承認されているホルモン量の多い中・高用量ピルに対するイメージ、そして何より低用量ピルに対する正しい知識がまだまだ普及していないことが原因と思われます。 そんな訳で、今回は「低用量ピルの正しい知識(@避妊効果、A副効用、B副作用)」についてお話ししたいと思います。
 初めに、低用量ピルの避妊効果についてお話します。低用量ピルは3つの作用で高い避妊効果を発揮します。第1の作用は卵巣の排卵抑制です。脳が低用量ピルに含まれるホルモンをキャッチすると、「私は妊娠している」と錯覚し卵巣の活動が休止します。第2の作用は受精卵の着床のベッドである子宮内膜を変化させ、万が一排卵して受精したとしても着床しにくい状態にさせます。第3の作用は子宮の入り口の粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくさせます。低用量ピルを飲み忘れなく正しく飲んでいる場合、1000人の女性が1年間に妊娠するのは3人以下と報告されています。それに対し、コンドームの場合は20人から150人が妊娠するとされていますから、低用量ピルの避妊効果がいかに高いものか実感できます。

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